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いつもウンチを漏らされているパンツのお話。
パンツはウンチがつくのが嫌で、洗濯かごの中から飛び出しました。必死に逃げたパンツですが、ふと男の子を思い出して寂しくなり…
パンツの気持ちがよくわかる物語です。
「もうやってらんないよ。」洗濯かごの中で、くしゃくしゃに丸められたパンツ君がため息をつきました。なんと、電車の絵が描いてあるかっこいいパンツ君に、ウンチが付いていたのです。
「オイラを履いているのに、どうしてトイレに行かないんだ…かっこいい電車が描いてあるっていうのに、うんち付いてたらだいなしだよ。」パンツ君はプリプリ怒っています。「もうウンチをつけられるのなんてまっぴらだ!」ついにかごから飛び出しました。
誰にも見つからないように、こっそり窓から外に逃げ出したパンツ君。スタコラ道を走っていると、野良猫に会いました。「あら、がっちゃんのパンツ君じゃない。どうしたの?」「うんちつけられるのが嫌だから逃げてきた。」
「そういえば、なにか臭うと思ったのよ。」猫は鼻に手を当てながらいやーな顔をしました。恥ずかしくなったパンツ君はスタコラその場を逃げました。すると、次は鳩に会いました。「やぁ、がっちゃんのパンツ君。どこに行くの?」
「ちょっとね」パンツ君はそっけなく答えました。「あ、ちょっとくさいと思ったら、うんちついてる…」鳩に言われたパンツ君は恥ずかしそうに、またスタコラその場を逃げました。「どうにかして綺麗にしなきゃ…」
パンツ君は、ウンチを綺麗にしようと道の途中にあった水たまりにボチャンと入りました。でもちっともきれいになりません。「ママが洗ってくれないと、オイラ綺麗にならないんだ…」しょんぼり落ち込んでいると…
ぴゅーっと風が吹いて木の上に飛ばされてしまいました。どこにも行かれなくなってしまったパンツ君は「もう二度とがっちゃんに履いてもらえないのかな…」自分を履いて喜んでいるがっちゃんを思い出して、だんだん寂しくなりました。
すると「こんなところまで逃げてきたんだね!すごいや!」昼間会った鳩がやってきました。「うん…」パンツ君の元気が無いので鳩がワケを聞くと「ボクががっちゃんの家まで連れてってあげるよ。」パンツ君は嬉しそうに頷きました。
鳩はパンツ君を掴むとぴゅーっとひとっ飛び。ガックンの家のベランダにパンツ君を届けました。パンツ君は鳩にお礼を言ってお別れすると、そーっとベランダの窓から中を覗いてみました。すると…
「ボクの大好きなパンツがなくなっちゃったー!」ガックンはパンツがなくなっていることに気がついて大泣き中。「ウンチ付いちゃってね、かごに隠しといたの~!」「ん~かごの中になかったんだけどなぁ?」ママは首をかしげながら言いました。
パンツ君は自分を探して泣いているがっちゃんを見て安心しました。本当は、がっちゃんが自分を嫌いでウンチを漏らしていると思っていたのです。パンツ君は誰にも気がつかれないように、そーっと洗濯カゴの中へ戻りました。
がっちゃんは諦め切れずにもう一度洗濯カゴの中を探しました。すると「パンツあったー!!」隅っこに張り付いているパンツ君を見つけて大喜びです。すぐにママに洗ってもらいました。パンツ君はとっても最高の気分でした。
次の日、きれいになったパンツを履いたがっちゃん。「大事なパンツだからね、汚れないように、もうウンチ漏らさないよ!」その日からウンチを漏らしませんでした。パンツ君ももちろん、もう逃げ出したりすることはありませんでした。
おしまい