あらすじ…

ママがオバケになってしまう絵本を読んだ男の子。「ボクのママがもしオバケになちゃったら…」いろんなママを想像します。

どんなママでも大好きだと思える男の子のお話。

ママがおばけになっちゃったら

ボクのママは綺麗で優しくて面白くて、料理上手。そんなママがボクは大好きなんだ。ある日、ママがおばけになる絵本を読んだボクは、ふと考えた。「もしボクのママがおばけになったらどうなるんだろう？」

朝起きて「おはよう」ボクがいつもの通りに挨拶すると、きっとおばけになったママもいつもと何も変わらず「おはよう、けんちゃん！よく眠れた？」って言うんだろうな。

ママはいつも綺麗にお化粧してるけど、おばけになったママはお化粧をしないんだろうな。だって、ママはのっぺらぼうになっちゃったんだもん。お化粧なんて必要ないんだ。

ママは食いしん坊だけど、おばけになったママはきっとご飯を食べない。でも料理上手なママは、きっとボクのために一生懸命おいしいご飯を作ってくれるよ。おばけっぽい目玉のスープとかだったら嫌だけど。

ママはよくテレビを見ながら踊ってるけど、おばけになったママはきっとダンスはしない。そのかわりにリズムに合わせて消えたりするんじゃないかな。前よりもっと楽しそうにね。

おばけになったママにはきっと足はないんだろうな。でもボクが夜寝るとき困らないように手はちゃんとある。きっとママは、ボクが眠るまで手を握っててくれるはずだもん。

だけど困ったことが１つだけある。それは友達を家に呼べなくなっちゃうこと。いつも友達が遊びに来るけど、きっとみんなはのっぺらぼうのママを見たら、びっくりしちゃうよね。

友達を呼べないかわりにボクは沢山外で遊ぶことにしよう。それで、何をして遊んだかママに沢山話してあげるんだ。外に出られないママは「楽しそうだね。」って、きっとにっこり笑ってくれるよ。目も口もないけどね。

おばけになってもボクのママはきっと優しくて面白くて料理上手。ボクのママのまんま何も変わらないんだろうな。いろいろ考えたけど、おばけになってもやっぱりボクはママが大好きだ。

そのことを伝えたら、ママはキョトンとした顔でききながら、最後に「ありがとう」って言ってぎゅーっとボクを抱きしめてくれたんだ。おばけのママでも好きだけど、やっぱりこのままのママがいいなって、ボクはちょっぴり思っちゃった。

おしまい

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