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わがままな女の子と天使の物語。
「やだもん」ばかりのララちゃん。ある日突然天使と一緒に暮らすことになり…
「やだ」と言う前にどうすればいいのか、わかるお話です。
あるところに、とてもわがままな女の子がいました。名前はララちゃん。ララちゃんはいつも「やだもん」ばかり言っています。 「これ嫌い」ご飯の時間は好きなものだけ食べます。周りのみんなはララちゃんのわがままに困っていました。
ある日、ララちゃんが眠りにつこうとベッドに入ると、空から何か落ちてくるのが見えました。「なにかしら?」ララちゃんがベランダに出てみると、そこには小さな天使が倒れていました。「かわいそう…」ララちゃんは小さな天使を手のひらにのせると、部屋に戻って傷の手当をしてやりました。それから天使をお人形さん用のベッドに寝かせると、そっと布団をかけました。
次の朝、ララちゃんが起きると小さな天使は元気になっていました。「助けてくれてありがとう!」天使は嬉しそうに羽をパタパタしました。「どこかへ行く途中だったの?」ララちゃんが聞くと「どうしてココにいるのか、何もわからないの。」天使は困った顔をしました。
「じゃぁ、うちにいたら良いじゃない」ララちゃんがにっこり微笑むと天使は嬉しそうにうなずきました。ララちゃんはさっそく天使のことをママに報告しました。でもママに天使は見えないようで、ずっと首を傾げていました。
天使はララちゃんが大好きでした。どこに行くにもパタパタ飛んで付いていきます。眠たくなればララちゃんの胸ポケットで昼寝をしました。ララちゃんもそんな天使が大好きで、二人は楽しい毎日を過ごしていました。
でも天使にはとても気になることがありました。それはララちゃんのわがままです。「やだもん」ララちゃんが言うと、周りのみんながちょっぴり悲しい顔になるのを天使は知っていました。
「そうだ!」ある時天使は良いことを思いつきました。「ララちゃんがわがままにならないように、私がアドバイスすれば良いんだわ!」天使はララちゃんが「やだもん」と言う前に、小さな声でそっとアドバイスをすることにしました。
「はみがきしようね」ママに言われたら、天使はそっとララちゃんに伝えます。(お着替え終わってからやるねって伝えてみて。)ララちゃんは天使のアドバイス通り「やだもん」と言わずに自分の思っていること伝えました。
ご飯の時間「これ嫌い」ララちゃんが言おうとすると、天使は耳元でこう伝えます。「これはね、とっても体にいいから、頑張って食べてたくさん褒めてもらおう!」天使の言葉に、ララちゃんは嫌いなものも少しずつ食べるようになりました。
そんな毎日を過ごしていると「すごいわララちゃん」「偉いねララちゃん」ララちゃんはママにたくさん褒められるようになりました。わがままが減ったララちゃんは、すっかりおねえさんになっていました。
幸せそうなママとララちゃんを見ていた天使は「私はきっと、ララちゃんをおねえさんにするためにこの家にやってきたんだわ。」そう気が付きました。「そろそろお別れしなくっちゃ。きっと他にも私を必要としている子がいるわ」
天使はララちゃんとお別れすることに決めました。「あのね、ララちゃん…」天使は自分がどうしてここへやってきたのかララちゃんに話すと、お別れを言いました。ララちゃんは「うん、うん」と泣きながらうなずきます。
天使は「立派なおねえさんになってすごいよララちゃん!さようなら!」そう言って空へと飛び立ちました。ララちゃんは「ありがとう天使さん」涙をいっぱいためた顔でニッコリ笑うと、天使が見えなくなるまで手を振りました。
おしまい