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お雛様についていろいろ学べる昔話。
お雛様は昔から立派できれいなお人形ではありませんでした。お雛様はむかーしむかし…
時代の移り変わりと共に変化したお雛様の歴史やお雛様に込められた願いがわかる絵本です。
むかーしむかしのそのまた昔、平安時代というころのお雛様は、まだ綺麗な着物を着た可愛らしい人形ではありませんでした。お雛様は人の形に切った、ただのペラペラな紙だったのです。
「今日はじょうしの節句ね。流し雛をしなくっちゃ。」女の子は紙のお雛様を持ってワクワクしながらお母さんと川へでかけていきました。川にはたくさんの女の子が流し雛をするために紙のお雛様を持って集まっています。
女の子はさっそく紙のお雛様をカゴへ乗せると「今年も一年、みんなが元気に過ごせますように」とお祈りをしながら川へ流しました。これは流し雛といって、お雛様の始まりになる行事なのです。
それから何年か経ったまだまだ昔のころ、「ねぇねぇ、ひいな遊びしましょー!」「うん、お人形持ってくるね!」ただの紙だったお雛様は、ひいな遊びという、おままごとで使われる可愛らしい紙の人形に変わりはじめました。
「かわいいから川へ流すのやだよー。ひいな遊びに使うんだもん」女の子が言うと「そうね、こんなに可愛らしいんだもの。流し雛にしないで、お家においておきましょうか。」可愛らしくなった紙のお雛様は、流し雛にしないで家においておくようになりました。
川へ流すことがなくなると、お雛様は紙ではなくて簡単な人形になりました。「ペラペラの紙より、この方がひいな遊びにピッタリ!」女の子はお人形になったお雛様で遊ぶのが大好きでした。
そのうちに「私のお人形、すてきでしょ?」「もっと可愛らしい着物を着せたいわ。」お雛様に可愛らしい着物を着せるようになりました。「もっと可愛く、もっと素敵に」と、いつしかそれはとても豪華な着物へと変わっていったのです。
それからすこし経った昔々の江戸時代、お雛様は豪華なお嫁さんの着物を着て、大切に飾られるようになりました。隣にはお内裏様(おだいりさま)、お世話をしてくれる3人官女にお雛様を守ってくれる右大臣と左大臣。結婚のお祝いの音楽を奏でてくれる5にんばやし、、、。
女の子は、お雛様とたくさんの仲間達を「綺麗ね」「可愛いね」と毎年嬉しそうにかざりました。「はやくひな祭りにならないかなー」雛人形をかざり終えた女の子は、毎日雛人形を眺ながらひな祭りを楽しみ待つようになりました。
こうして、昔々紙でできていたお雛様は、長い時間をかけて立派な着物を着たお雛様の人形に変わったのです。でも「女の子が幸せになりますように」と願うお雛様の気持ちは今も昔も変わることはありませんでした。
おしまい