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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
ランドセルを買う予定の男の子は毎日ワクワクしていました。
ある日いつものスーパーへ出かけると見知らぬかばん屋を見つけた男の子。中へ入ってみるとそこには…
こんなランドセルあったら良いなとワクワクする物語です。
もうすぐ1年生のしょーちゃんは、次のお休みにパパとママとランドセルを買いに行く約束をしていました。「どんなランドセルにしようかな…」毎日ワクワク眠れません。
そんなある日、ママとスーパーに来たしょーちゃんは「ボク待ってる!」お店のベンチで待っていることにしました。ふと見ると、「あれ?あんなお店あったっけ?」見たことのないカバン屋さんがスーパーの端っこにできていました。
しょーちゃんがカバン屋さんを覗いてみると、動物の顔や、恐竜のしっぽ、なんだかへんてこなカバンがたくさん飾ってあります。その奥に、丸いメガネをかけて服を着た、カエルのおじいさんが新聞を読みながら座っていました。
「え?カエル!?」しょーちゃんがびっくりして固まっていると、気がついたカエルが新聞をたたんでこちらへ近づいてきました。「何をお探しだい?」「カ…カエルが喋った!?」驚きすぎたしょーちゃんは口をパクパクさせました。
すると、カエルはしょーちゃんをじーっと見つめて言いました。「ほうほう、きみはもうすぐ1年生か。ふむふむ、ランドセルがほしいんじゃな。」カエルはそう言うと、お店の奥からなにやら取り出してきました。
(なんでわかったんだろう…)しょーちゃんがびっくりしていると「ほれ、こんなのはどうだい?」カエルは羽の生えた黒いランドセルを机の上に置きました。こんなランドセル見たことありません。
「これはな、羽で飛べるランドセルじゃ。飛んで学校に行けるなんて最高じゃろ?」カエルが言うと、羽がパタパタと動きました。「すごいよこれ!すごい!!」しょーちゃんは見たことのないランドセルに大興奮です。
さっそく背負ってみると、羽がパタパタと羽ばたいて体がふわりと浮き上がりました。「うわぁ、浮いた!」しょーちゃんが感動していると、羽は嬉しそうにもっとパタパタと羽ばたきました。すると体がドンドン浮き上がり、そのまま外へと飛び出しました。
空高く上がったしょーちゃんの隣には、鳥達が飛んでいます。「なんて素敵なランドセル!」「そんなかっこいいの見たことがない!」鳥達は口々に言いました。しょーちゃんは嬉しくてもっともっと高く飛び上がりました。すると…
「しょーちゃん」ママの声が耳元で聞こえました。ふと気がつくと、そこは最初に座っていたベンチでした。カバン屋の方を見てみると、そこには何もありません。しょーちゃんはベンチですっかり眠っていたのです。
次の日、みんなでランドセルを買いにでかけました。もちろん、あのスーパーのカバン屋さんではありません。お店につくと、看板に「かえるかばん」と書いてありました。(もしかして!)しょーちゃんはドキドキしながらお店に入りました。すると…
残念ながら、へんてこなカバンはありませんでした。店員さんもカエルじゃなくて人間のおじいさん。しょーちゃんはおじいさんが進めてくれた、黒くてかっこいいランドセルに決めました。すると、おじいさんがなにかランドセルに付けてくれました。
「これは、無事カエルというお守りじゃ。」それは暗い道で光るキーホルダーでした。キーホルダーには、あのカエルの顔が描かれています。しょーちゃんが驚いた顔をしていると、おじいさんはしょーちゃんにウィンクをしました。
なんだか不思議な体験をしたしょーちゃんは、買ったばかりのランドセルを眺めながら「いつかこのランドセルに羽が生えて、空を飛べるんじゃないかな…」ワクワクしながら1年生になる日を待ちわびました。
おしまい