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人間の世界を初めて散歩したおばけ。
誰もいないレストラン、誰もいないジュース屋さん。でも大変、おばけが通るとジュースが凍って全部アイスになっちゃった!?
いつもと街が少し変わっていたら、もしかしたらみんなが寝ている間にみんなの街をおばけが散歩したのかもしれないですね。
「あーつまんなーい。つまんない。つまんない。つまんなーい。」真っ暗な街の端っこで、おばけがつまらなそうに消えたり現れたりしながらぶーたれていました。
するとコウモリが飛んできて言いました。「つまらないなら人間の街でも散歩したら?おもしろいぞ~。」「さんぽ?そういやしたことないなー。よし、行ってみよう!」おばけは早速人間の街へ散歩に出かけました。
誰もいない真っ暗な街で「楽しみだなー!」キョロキョロしながら壁をすり抜けてフラフラふわふわ進みます。おばけはレストランを見つけると「おもしろそう!」スーッと扉をすり抜けてこっそり中へ入りました。
誰もいないテーブルに座ったおばけは、お客さんごっこを始めます。「目玉のソテーに脳みその唐揚げ、血のジュースまであるなんて!あーなんて素敵なレストラン!」ひとりで乾杯しながら、なんだかとっても楽しそう。
しばらく遊んでレストランに飽きると、今度はお花屋さんにフラフラふわふわ入ります。お店のお花を屋根にぜ~んぶかざったら、いたずらの完成です。「屋根がお花の方が、お花屋さんっぽくていーじゃん、いーじゃん!」おばけは楽しそうに笑いました。
次に入ったのはジュース屋さん、美味しそうな果物の匂いをクンクンしながらお店を飛び回っていると…あらら。おばけがひんやりしているせいで、ジュースが凍ってアイスになってしまいました。「明日からこの店はアイス屋さんだな!」おばけはまた、楽しそうに笑いました。
笑いながら飛んでいると、一軒の家が見えました。壁をすり抜けてスーッとはいると、なんと、トイレに起きてきた男の子とバッタリ鉢合わせ。おばけは怖がらせようと「ぐわー!」と驚かしますが、男の子はおばけが見えないのか、そのまま布団に戻っていきました。
なんだかがっかりしたおばけ。次は何をしようかなー。」外に戻ってふらふらしていると、大きな野良犬がトコトコ歩いてくるのが見えました。「よーし」おばけはくすくす笑いながら思いっきり犬の体をすり抜けました。犬はなんだか不思議そうな顔をします。
面白かったおばけは、もう一度犬めがけてすり抜けました。鼻のあたりをおばけがすり抜けると…「ふぁ…ふぁ…ふぁくしょ~ん!!!」犬は思いっきりクシャミをしました。
するとおばけは犬のクシャミの勢いでぴゅーっと吹っ飛ばされました。 「う…うわぁぁぁぁぁ…!」勢いよくどこまでも吹っ飛んでいったおばけは、そのまま自分の家まで飛んで戻ってきてしまいました。
おばけのはじめてのお散歩はこれでおしまい。「あーあ、戻ってきちゃった。」おばけは残念そうに言いました。お布団に入ったおばけは、次のお散歩でどんないたずらをするか眠りにつくまで考えました。
おしまい