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みんなが寝る頃やってくる、内緒のお友達。
飛べるのが羨ましい人間の男の子と、歩けるのが羨ましいおばけの女の子。ヘンテコリンな呪文を唱えると…二人は入れ替わっちゃた!
お化けが飛べる秘密がわかっちゃうお話。
みんながすやすや寝てる頃、いっくんの部屋には友達おばけのバケちゃんが遊びにやって来ます。二人はとっても仲良しでした。
「ぼくもフワフワ飛んでみたい。空をお散歩できたらいいのになぁ。」バケちゃんを見ながらいっくんが言いました。「私も歩ける足がほしい。素敵な靴をはいて散歩するってとっても楽しそう!」いっくんを見ながらバケちゃんが言いました。
ある日、バケちゃんは「良いこと思いついたの。」と言って分厚い本を取り出すと「ぺっぽこぷっぽこぷっぷっぷー」なにやらヘンテコな呪文をとなえました。すると…。
いっくんの体はみるみるうちにバケちゃんのようなおばけに、バケちゃんの体はみるみるうちに足が生え、可愛らしい女の子になりました。「僕、おばけになっちゃった!」「見て!私に足がある!」
さっそく二人は飛んだり歩いたりしてみました。でもあれれ…?いっくんはバケちゃんのようにフワフワ飛べません。バケちゃんはいっくんのようにスタスタ歩けません。
「飛ぶのってこんなに難しいの!?」「歩くのってもっと簡単だと思ってた!」二人はフーフー息を切らして座り込みました。「なんでおばけはフワフワ簡単に空を飛べるの?」
「簡単じゃないのよ。おばけってね、生まれた時は飛べないの。でもね、赤ちゃんの頃からパパやママにつかまったり、尻もちついたりしながら飛ぶ練習を毎日続けるの。それでやっと少しずつ飛べるようになるのよ。」
「おばけは生まれたときから飛べると思ってた!それじゃあ人間と同じだね!」「人間もそうなの?」バケちゃんが驚いた顔をしました。
「人間もね、生まれた時は歩けないんだ。赤ちゃんの頃から、ハイハイしたりテーブルにつかまって立つ練習をしたり、尻もちつきながら歩く練習を毎日するんだ。それでやっと少しずつ歩けるようになるんだよ。」
「飛ぶのも歩くのも簡単じゃないのね…。」二人は顔を見合わせて笑いました。「みんなたくさん時間をかけて練習したからできるようになったんだ。」「おばけも人間も一緒だね。今日はここまでにして、明日また練習しましょ。」
バケちゃんは「ぱっぽこぺっぽこぷっぷっぷー」またヘンテコな呪文を唱えると、みるみるうちに二人はもとの姿に戻っていきました。 仲良しのいっくんとバケちゃん。それから毎日バケちゃんの呪文で変身すると、飛ぶ練習と歩く練習を続けましたとさ。
おしまい