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文字がなかった日本に漢字が伝わってきました。とりあえず使い始めてみますが、なんだか難しくてややこしい。だんだんと簡単に変化させていく人々。そのおかげで、ひらがなとカタカナが誕生していきます。
「漢字」「ひらがな」「カタカナ」こんなにたくさんの文字を使うのは世界で日本だけ。珍しく美しい日本の文字について学べます。
むかーしむかし、日本の国には『文字』というものがありませんでした。文字がないと、紙に書いて覚えておくことができません。 そんな時代の頃、友達との約束をすぐに忘れてしまい、なかなか友達ができない、わすれんぼうの長助という男がいました。 「おりゃーすぐ忘れっちまう。困った困った。」
ある時、中国から『漢字』という文字が伝わってきました。「これが文字ってやつか!これを使うと、言葉を残しておけるんだってよー!」「そりゃすごい!これで忘れずにすむじゃないか!」長助は、早速言葉を文字にしてみることにしました。
でも、文字をよく知らなかった長助は、言葉の音一つ一つに同じ音の漢字を当てはめていきました。『やま』なら『や』と『ま』1つずつ漢字を当てはめるので、文字がたくさんになってしまい、読むのも書くのもそりゃぁもう大変でした。
長助のように漢字を使い始めた人たちは、「なんだかややこしなぁー。」「こりゃ、めちゃくちゃむずかしい。」「もっと簡単に読んだり書いたりできないもんかな。」もっともっと文字を便利に使いたいと思うようになりました。
それから何百年か経ちました。わすれんぼうの長助の子供の子供のまた子供、わすれんぼうの女の子ウメは、全く漢字が書けませんでした。「好きな人に手紙を書きたいのに…、漢字が難しくて書けないわ…。」漢字は普段、男の人が使うものだったので、ウメには難しくて覚えられなかったのです。
ウメは自分が覚えられるように、漢字を崩して簡単な文字にして書いてみました。「これなら覚えられそう!」ウメは早速崩した文字を使って手紙を書いてみました。それをみたみんなは「これは覚えやすくて簡単だ!」すぐに広まりました。その文字はいつしか『ひらがな』と呼ばれる様になりました。
ひらがなができたのと同じ頃、お寺のお坊さんだったウメの弟、わすれんぼうの長太は、お経が書いてある本に、意味を忘れないように書こうとしました。でも文字と文字の隙間が小さくて、漢字を書くことができません。
「ん~…困ったのぉ。この狭い隙間にどうやって書いたら良いんじゃろか。なにかいい方法はないかのぉ…。」長太は考えて考えて考えて…。漢字の一部分だけを書いてみることにしました。
「こりゃ。簡単に書けるしわかりやすい!」簡単にかけるその漢字の一部分は、そのままお坊さん達みんなが使うようになり、いつしか『カタカナ』として、世の中に伝わっていきました。
『漢字』『ひらがな』『カタカナ』3種類の文字を使うようになると「これ、組み合わせて使ったら、とってもわかりやすくなるんじゃないか?」そう気づいた人々が、3つの文字を混ぜ合わせて使うようになりました。こうして何百年もかけて作られた日本語は、他の国にはない3つの文字を使う珍しく美しい文字となりました。
おしまい