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敬老の日のお祝いをしていたかほちゃんは、ふと、どうして今日が敬老の日なんだろうと疑問に思います。おばあちゃん、おいいちゃん、お父さんがかほちゃんの疑問に丁寧に答えます。
敬老の日に「ありがとう」と伝えたくなるお話です。
「じーじ、ばーばにプレゼントー!」かほちゃんは楽しそうに手のひらに絵の具を塗ると、ペタっと画用紙に手形をつけました。「今度じーじ達がくるから、それ敬老の日のプレゼントにしようね。」「けいろうのひー?」かほちゃんは自分の手のひらをじーっと見ながらいいました。
「敬老の日っていうのは、おじいちゃんおばあちゃんにいつもありがとうって伝える日よ。」「どうしてー?」「優しくしてもらったら『ありがとう』って言うでしょ?いつも優しくしてもらってるから『ありがとう』するのよ。」「わかった!」かほちゃんは笑顔でうなずきました。
それから何日か経った敬老の日、おじいちゃんおばあちゃんが家に遊びにやってきました。「敬老の日ありがとー!」かほちゃんが嬉しそうに手形で作ったメッセージカードを渡すと、「はい、ありがとう。」おじいちゃんとおばあちゃんは嬉しそうにカードを受け取りました。
「どうして今日が敬老の日なの?」かほちゃんの突然の質問にママは困ってしまいました。すると、「おばあちゃんが教えてあげるね。」おばあちゃんはひざにかほちゃんを乗せました。
「昔々、美濃国(みののくに)っていうところに、悪いところを治してくれる不思議な滝があったの。
その滝を、とっても偉い人が見て、『身体が弱ったおじいちゃんおばあちゃんを元気にしてくれる滝だ!』って感動して、『養老の滝』って名前をつけたの。本当のはなしかどうかはわからないんだけど、それが今日なんじゃないかっ言われているのよ。」「それ、昔話できいたことあるー!」かほちゃんは嬉しそうに言いました。
「じゃあ、この話は知ってるかい?」
今度はおじいちゃんがかほちゃんをひざに乗せました。
「むかーしむかし、『聖徳太子』っていう偉い人が、一人で暮らしているおじいちゃんおばあちゃんが寂しくないようにって、みんな一緒に住める場所を作ったんだ。これも本当かどうかわからないが、それが今日なんじゃないかって言われているんだ。」「おじいちゃんも、ものしりだね!」かほちゃんに褒められて、おじいちゃんは嬉しそうにニッコリしました。
「パパはなにか知ってる?」かほちゃんはパパのひざに乗りながら言いました。「パパだって知ってるぞー。敬老の日は、ある村の村長さんが作ったんだ。これは本当にあった話だぞ。」パパは得意そうに言いました。「村長さん?」
「そう。昔、村で1番偉い村長さんが、おじいちゃんおばあちゃんはとっても物知りだから、知っていることを教えてもらって、感謝の気持ちを伝える「としよりの会」っていうのを始めたんだ。それが広まって、今の敬老の日になったのさ。」「パパすごーい!」パパは褒められますます得意そうな顔になりました。
「はーいできたわよー」ママが料理を運んできました。「まー美味しそう!」おじいちゃんとおばあちゃんの嬉しそうな顔をみて、「ママもものしりだね!じーじとばーばの好きなもの知ってるから!」かほちゃんが笑うと、みんなもつられて笑いました。
楽しい時間を過ごしたかほちゃん。それからもずっと、敬老の日には必ずおじいちゃん、おばあちゃんに『ありがとう』と感謝の気持ちを伝え続けました。
おしまい