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母の日にお母さんと喧嘩をしてしまい、お母さんが傷つくようなことを言ってしまった女の子のお話。
いつも口うるさいお母さんに思わず傷つくことを言ってしまったさえちゃん。近所のおばさんからカーネーションをもらうと、急いで家に帰ることに…。
家族の絆がわかるお話です。
さえちゃんはお母さんと喧嘩をしてしまいました。始めはちょっとしたことを言われただけだったけど、こじれてしまって大喧嘩に。「本当お母さんってうるさくて嫌い!」そう言うとさえちゃんは部屋にこもってそのまま寝てしまいました。
次の朝、カレンダーを見ると「ははの日」の文字が見えました。母の日はお母さんに「いつもありがとう」を伝える日。さえちゃんはお母さんと仲直りをしようと部屋を出ましたが、すぐに「さえ、昨日はちゃんと宿題やったの?早く支度しないと遅刻するわよ」お母さんにまくしたてられてしまいました。
「本当うるさいなー。なんで私はお母さんなんかの子供に生まれちゃったんだろ。もっと優しい人の子供に生まれたかった。」さえちゃんは思わず言ってしまいました。お母さんの泣きそうな顔を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、「ごめんなさい」が言えないままさえちゃんは学校へと向かいました。
学校へ行くと、みんな母の日のプレゼントの話で盛り上がっていました。お母さんと喧嘩をしてしまったさえちゃんは話にも入れず、「ぜんぶお母さんのせいだ」と、その日一日ずっと不機嫌に過ごしました。
学校の帰り道、家に帰りたくなかったさえちゃんは公園で時間を潰すことにしました。夕方になり、一人二人と公園から人がいなくなり、ついにさえちゃんだけになりました。すると「あら、さえちゃん!」聞き覚えのある声がしました。振り返ってみると、隣に住んでいる優しいおばさんでした。
さえちゃんはお母さんと喧嘩した話をしました。「おばさんみたいな優しい人の子供に生まれたかったなー」そう言いながらも、お母さんと仲直りしたいことや母の日にありがとうを伝えたいことを話しました。すると「あら、ウチの子供はみんな、さえちゃんのお母さんみたいな優しい人にお母さんになってもらいたいって言ってるわよ」おばさんは笑いながら言いました。
それからこう続けました。「おばさんだってち小さい時、お母さんとたくさん喧嘩したんだよー。でもね、大人になってから気付いたんだけど、家の掃除や洗濯、毎日の食事の用意って本当に大変なの。でもお母さんは嫌な顔一つせずやってくれて。たまにブーブー文句は言ってたけどね♪でも、おばさんもなかなか『育ててくれて有難う』なんて照れくさくて言えなかったよ。
おばさんのお母さんはもう天国で言うことは出来ないけど、さえちゃんの胸が少しでも痛むならまだ間に合うからきちんと気持ち伝えたら?」
そう言うと、どこからかカーネーションを1輪出してきました。
「これ、さえちゃんにあげるから急いで帰って今の気持ちお母さんに伝えてごらん?」さえちゃんは「ありがとう!」とカーネーションを受け取ると、急いで家に帰りました。
玄関を開けると心配そうな顔をしたお母さんが待っていてくれました。さえちゃんはカーネーションを差し出しながら「お母さん、ごめんなさい。さえはお母さんの子供がいい!」そう言ってお母さんに抱きつくと「お母さんもごめんね。」そう言ってお母さんはぎゅっと抱きしめてくれました。
おしまい