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もうすぐ父の日なのにパパの好きなものがわからないはなちゃんのお話。
朝から寝るまで、パパの観察をするはなちゃん。パパは何がなんだかわからず首をかしげます。どんなに観察しても、パパの好きなものがわからなかったはなちゃんは、ついに泣き出してしまいました。
パパの好きなものとは一体何だったのでしょう。親子の絆が伝わります。
6月になって少し経ちました。もうすぐ父の日です。はなちゃんはパパになにかプレゼントしようと考えました。「パパ、何が好きなんだろう」しばらく考えてみましたが、思い付きません。
「ママみたいにお酒飲まないし…ママみたいに動物とか好きじゃないし…ママみたいにゲームもやらないし…ん~お父さんって、何が好きなんだろ?」その日からはなちゃんは、パパを観察することにしました。
朝起きると朝ごはんを食べるパパをじーっと観察。「んー?どうした?」「なんでもなーい」歯磨きするパパをじーっと観察。シャカシャカ歯磨きをしながらパパは首をかしげていました。
はなちゃんはかまわず、今度は玄関を出ていくパパをじーっと観察。「い…行ってきまーす。」パパは不思議そうに家を出ていきました。「やっぱりわかんなーい」パパの好きなものがさっぱりわからないはなちゃん。
幼稚園に行くと、父の日の絵を描く時間がありました。でも「父の日はパパの好きなものあげたい」そう言って、幼稚園で描いた似顔絵は部屋に隠してしまいました。その後も、はなちゃんのパパ観察は続きます。
夜、「ただいまー」パパの声にはなちゃんは走って玄関へ向かいます。「お帰り!」そう言いながらじーっと観察。手を洗うパパ、お風呂のパパ、ご飯を食べるパパ…。どんなに観察しても、やっぱりパパの好きなものが見つかりません。
ママに聞いても「気持ちがこもってれば、なんでも嬉しいよ」と言われてしまいます。結局、好きなものがわからないまま、父の日になってしまいました。「おはよう…」はなちゃんは朝から元気がありません。
「どうした?具合悪いか?」パパが心配して声をかけると、はなちゃんは泣き出してしまいました。しくしくしながら小さな声で「パパの好きなものがわからないの…」はなちゃんは言い終わるとまた大きな声を出して泣きました。
パパははなちゃんの頭を優しくなでながら「パパの好きなものははなちゃんだよ」と言うと、はなちゃんはびっくりした顔でパパを見つめました。「はなはプレゼントできないよ!」涙でグシャグシャの顔で言うのでパパは思わず笑ってしまいました。
「はなちゃんは、居てくれるだけでいいんだよ」パパが言うと、はなちゃんはなにか思いついたように部屋に走っていきました。しばらくして部屋から出てきたはなちゃんは、一枚の紙をパパに渡しました。それは幼稚園で描いたパパの似顔絵でした。
パパの顔のよこには小さな女の子の絵が付け足されていました。「これがパパで、これがはなね!いつも一緒!」それはパパにとって、最高のプレゼントでした。パパは「ありがとう」の気持ちをはなちゃんに伝えました。
父の日が終わった次の日、はなちゃんのパパ観察はまだ続いていました。「なんでまだ観察するの?」パパが不思議に思って聞くと「パパの知らないことたくさん知れて、おもしろかったの!歯磨きは2回するとか!」とはなちゃん。はなちゃんの観察はしばらく続きそうです。
おしまい