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コトちゃんと仲良しのあみちゃんが連絡帳を使って交換日記をするお話です。
病気で入院しているあみちゃんに、コトちゃんは連絡帳を届けます。連絡帳の最後にはコトちゃんやクラスの友達からのメッセージを付けたし、あみちゃんからもたまに返事が来ていました。しかし、程なくしてあみちゃんは天国へ旅立ってしまいす。連絡帳を見返すと、一番後ろのページには普通に生きたかったあみちゃんのメッセージが書かれていました。
友達との楽しい時間はあたりまえでなくかけがえのないものだと伝わるお話です。
コトちゃんは近所に住んでいるあみちゃんととっても仲良し。でもあみちゃんは少し前から病気で入院していました。
学校の帰り、コトちゃんはあみちゃんの家に毎日連絡帳を届けに行きました。連絡帳には、勉強のことやその日あったことが書かれていました。そのうちに、それだけじゃつまらないなーと思ったコトちゃんは、連絡帳の最後にあみちゃんへのメッセージを付け足すようになりました。
あみちゃんの返事は毎日ではなかったけど、体調の良い日には「早く学校行きたいなー」「病院のご飯は毎日おかゆです。早く学校の給食がたべたいよー。」あみちゃんらしい、明るいメッセージが書かれていました。いつしか連絡帳は2人の交換日記となりました。
あみちゃんからの返事があるとコトちゃんは嬉しくて、「あみちゃんから返事きたー!」とクラスのみんなに伝えました。すると「私も書きたい!」「俺にも書かせて」一人、また一人とメッセージを書くクラスメイトが増えていきました。
新しい季節に変わる頃、「今日の日直は仕事がいっぱいあったよ。」「たけしが俺の消しゴムをなくした。」そんな何気ない一言メッセージで、連絡帳は毎日ページいっぱいになりました。
「たけしくん、消しゴムゆうき君にはやくかえしてあげてね。」あみちゃんからの返事はだんだんと少なくなっていきましたが、たまに書いてくれる返事は、やっぱりあみちゃんらしい明るいメッセージでした。
それからしばらくして、あみちゃんは退院しました。退院しても家で安静にしなければならないので、コトちゃんはいつものように連絡帳を届けに行きました。久しぶりにあみちゃんに会えることが嬉しくて、家までの道をスキップしながら向かいました。ウキウキしながらチャイムを鳴らすとお母さんが出てきました。
お母さんの目はなぜか涙で真っ赤になっていました。不思議そうにしているコトちゃんに、お母さんは静かに一言だけ言いました。「ありがとう。でもね、もう連絡帳は必要なくなっちゃったの。。。」
コトちゃんはもう二度とあみちゃんに会えないのだとわかりました。
言葉がなにもでてきませんでした。せっかくこれからあみちゃんの顔を見ながら、連絡帳を手渡せると思ったのに・・・
もう直接話せるから、今日は交換日記に書いてないこともいっぱい話そうと思ってたのに・・・
コトちゃんもお母さんと一緒にその場でワンワン泣きました。
自分の家に帰ったコトちゃんは、連絡帳を泣きながら読み返していました。ペラペラページをめくっていると、連絡帳の一番うしろのページに、小さくメッセージが書かれていました。
「勉強がしたい」「友達と遊びたい」「普通に生きるってすごい。」あみちゃんがこっそり書いたものでした。コトちゃんは横に、「絶対また会おうね」そう書いて、連絡帳を宝箱の中にそっとしまいました。
おしまい