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【絵本 読み聞かせ】虫の図鑑(むしのずかん)/虫好きな男の子と女の子の優しいお話

2019-7-26

あらすじ…

虫の大好きなヒロ君とゆいちゃんのお話です。

ゆいちゃんは、みんなに馬鹿にされたくなくて、虫好きなことは内緒にしています。偶然裏山で会った二人は、みんなには内緒で虫の観察をし、ゆいちゃんを馬鹿にする人がいれば、守ってあげるとヒロ君は約束をします。おかげで、自由研究ではゆいちゃんは自分の作った虫の標本を堂々とみんなに見せ、みんなからは馬鹿にされるどころか関心されたのです。そして月日がたち、ヒロ君とゆいちゃんは結婚しました。

自分の好きなことを馬鹿にせずに受け入れてくれる存在は自分に自信を持たせてくれます。

 

虫の図鑑

 

虫が大好きなヒロ君には、いつも行く場所がありました。それは家の近くの小さな裏山。クラスの誰にも教えていない、ヒロ君だけの秘密の場所でした。学校が終わると虫かごと虫の図鑑を持って行き、日が暮れるまで虫の観察をしていました。

ある日、いつものように裏山に行くと、クラスメイトのゆいちゃんの姿がありました。ゆいちゃんはヒロ君を見つけるとびっくりして固まってしまい、ヒロ君もびっくりして、思わず持っていた図鑑を落としてしまいました。

落ちた図鑑を見たゆいちゃんは「あ!これ!この前新しく出た図鑑だ!いいなー!」と目を輝かせました。「ゆいちゃん、図鑑がすきなの?」落とした図鑑を拾いながらヒロ君は聞いてみました。すると、「図鑑じゃなくて、虫がすきなの…」ゆいちゃんは恥ずかしそうに言いました。

「えーーー?女の子なのに!?」ヒロ君は驚いたのと嬉しいのとで、思わず大きな声を出してしまいました。ゆいちゃんは「女の子が虫を好きだっていいじゃない」と顔を真っ赤にしてうつむくと「学校のみんなには内緒にしてくれる?」と泣きそうな震えた声で言いました。

いつもと違うゆいちゃんの様子にヒロ君は「ごめんごめん、虫が好きな仲間がいて嬉しいんだ」とあわててあやまりました。するとゆいちゃんは少し恥ずかしそうにしながら、自分の持っている図鑑を見せてくれました。その日から二人は毎日裏山で虫の観察をしました。もちろんクラスのみんなには内緒です。

ある日、学校に行くとゆいちゃんがクラスの男の子に囲まれていました。「おまえ、毎日虫取りにでかけてるんだってなー。おれのかーちゃんが言ってたぞ。いつも裏山にいるってー。」困ってうつむいているゆいちゃんをみたヒロ君は、思わず駆け寄りました。

「虫取りしてるのはボクだよ。ゆいちゃんは絵が上手だから、お願いして虫の絵を描いてもらってるんだ」ヒロ君がそう言うと「なんだーつまらないなー」と、みんなはどこかへ行ってしまいました。「ありがとう…」ゆいちゃんは恥ずかしそうに小さくつぶやくと走って行ってしまいました。

ヒロ君とゆいちゃんの虫の観察はそれからもずっと続きました。夏休みの自由研究、ゆいちゃんはヒロ君に勧められて虫の標本を作りました。「もし『女だから』って馬鹿にするやつがいたら、ボクがやっつけてやる!」ヒロ君は頼もしい約束をしてくれました。

自由研究発表の日。ゆいちゃんが作った標本を見たクラスのみんなは「おぉー!」と驚きの声を出したかと思うと、「ゆいちゃん、虫怖くないの?」「おまえ、女なのにすげーな!この虫、なかなか見つからないんだぜ!」興味津々に質問しました。ゆいちゃんはみんなの質問1つ1つ丁寧に答えました。その日からゆいちゃんのあだ名は虫博士2号になりました。1号はもちろんヒロ君です。

月日はながれ、大人になった二人は虫の研究者になりました。いまでは「女の子なのに…」なんて言われることはありません。ずっと一緒にいたヒロ君とゆいちゃんは結婚して、お家には二人が仲良くなるきっかけになった虫の図鑑が大切に飾られていました。

 

おしまい

 

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