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料理を通じて、改めてお母さんへの感謝を感じることができたしょうた君のお話です。
お母さんが料理をササっと作ってくれる事は当たり前で簡単なことと、とらえていたしょうた君でしたが、家庭科の授業で実際に料理をしたのをきっかけに、それは当たり前でも簡単な事でもないということを知ります。
こんなに大変な料理を毎日してくれているお母さんにお礼をしたくて豚汁を作るしょうた君、成長したその姿にお母さんは嬉し涙を流したのでした。お母さんへの日頃の感謝を学べます。
しょうた君はお母さんのご飯が大好きです。お母さんの作るご飯は美味しくて、食べるとこころがポカポカしました。「お腹空いたよ〜」しょうた君が言うと、ササッとお母さんは何でも作ってくれます。
ただ、いつもなんでもササッと作ってくれるのが当たり前だと思っていたしょうた君は、「お母さん、ご飯作ってくれてありがとう」なんて、1度だって言ったことがありませんでした。
ある日、しょうた君は家庭科の授業で初めてご飯を作ることになりました。メニューは豚汁。いつもお母さんが簡単に作っているメニューでした。「こんなの簡単簡単〜」そう言いながら野菜の皮を剥きました。「ほら、簡単!」剥き終わった野菜を得意げに見つめました。
「こんなのちょちょっと切れるでしょ。」野菜をまな板に乗せてを切ろうとしましたが「あれ?ぜんぜんうまく切れない…。思ってたよりむずかしいじゃん…」しょうた君は急にあせりだしました。
なんども指を切りそうになりながら人参やらじゃがいもを切りましたが、大きさも太さもバラバラ。野菜をきるのがこんなに大変だなんて…。しょうた君は簡単だと思っていたことが、なんだか恥ずかしくなりました。
いつもササッとごはんを作ってくれるお母さん。どんなに忙しくても嫌な顔をしないで料理をしているお母さん。料理をするのはこんなに大変なことなのに…。しょうた君はお母さんに何かお礼をしてあげたいと思いました。
次のお休みの日、しょうた君はお母さんとスーパーに行くと、豚汁の材料を買ってもらいました。家に帰って「今日はボクが豚汁を作るよ」そういうと、お母さんは目をまん丸くして驚きました。
しょうた君は、ソワソワと心配そうなお母さんを椅子に座らせると、授業でやったことを思い出しながら野菜を洗ったり切ったりしました。でもやっぱり大きさも太さもバラバラ。切った野菜を見て、しょうた君は少しため息をつきました。
お肉を炒めて野菜を炒めてジュージューと音がすると、心配そうにお母さんが覗きに来ました。「上手にできてるじゃない」大きさがバラバラの野菜を見て、嬉しそうにお母さんは微笑みました。
「あっち行っててよ!」しょうた君が恥ずかしそうに怒ると、「はいはい」とお母さんはまた椅子に座って心配そうにしょうた君を見つめていました。
豚汁ができあがると、一緒に食べるおにぎりをお母さんと一緒に作りました。お母さんはアツアツのご飯をササッと握って、あっという間におにぎりを作りましたが、しょうた君はあつくてあつくてなかなかご飯が握れず、へんてこな形のおにぎりが出来上がりました。
豚汁とへんてこな形のおにぎりがテーブルに並ぶと、お母さんの目に涙がたまりました。「ごはん作れるくらい、立派に大きく育ったんだね…お母さん、嬉しい…。ありがとう」お母さんは涙ぐみながら豚汁を飲み、飲むとまた「美味しいな!美味しいな!」と言っていました。
「お母さん、いつも美味しいごはんを作ってくれてありがとう。」しょうた君はお母さんに初めてお礼が言えました。お母さんが涙を浮かべながら頭を撫でると、恥ずかしくなったしょうた君は、お母さんが作ったきれいな形のおにぎりを一気に口に詰め込みました。
おしまい