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ボクとさやかちゃんのお話です。
小学校でボクとさやかちゃんは同じクラスで隣の席に座っていました。
ある日、さやかちゃんからおならの音が聞こえ、とっさにボクは自分のおならだとさやかちゃんをかばいました。
これがきっかけで二人は仲良くなり、そのまま大人になった二人は…。運命の出来事は、もしかしたら今日起こるかもしれないと夢のふくらむお話です。
ボクとさやかちゃんは小学校で同じクラス。授業中、隣の席に座っているさやかちゃんが、なんだかもじもじし始めた。
どうしたのかなぁ?具合でもわるいのかなぁ?ボクはさやかちゃんが心配になった。
すると「ぷぅ~」。
隣からおならの音が聞こえてきた。
その音を聞いた、前の席に座っているいじめっこの男の子が、「あー!さやかがおならしたー!!恥ずかしい~!!」とさやかちゃんをからかい始めた。
クラスのみんながさやかちゃんを見たので、ボクは思わず「ごめん、今のぼく」とそのいじめっ子に小さく言った。
でもそのボクの小さな声は、クラス中に聞こえてしまい、みんなは大笑い。
ボクは恥ずかしくて、隣に座っているさやかちゃんよりももっと真っ赤な顔になってしまった。
でもこれで、クラスのみんなはちゃんとボクがおならしたと思っただろうな。と、大好きなさやかちゃんを守ってあげられた気分になって、ボクは小さくガッツポーズをした。それからその日1日はとてもすがすがしい気持ちで過ごした。
放課後、帰ろうと学校の門をくぐると、さやかちゃんが待っていた。
「ありがとう!」恥ずかしそうにそれだけ言うと、さやかちゃんは走って行ってしまった。
その日からボクとさやかちゃんは少しずつ話すようになった。隠し事をしない、なんでも話せる友達だ。ボクはますますさやかちゃんのことが好きになった。
それから20年。「たぶんあれが運命の日だったんだろう」と、大人になったボクは結婚式のスピーチで小学校の同級生にネタバラシをした。ボクとさやかちゃんはまたみんなに笑われたけど、でもそれは、小学校の時とは違う幸せな笑顔だった。
おしまい