あらすじ…

お母さんから我が子にむけてのメッセージが物語となっています。

危険を伴う出産だったけれど生みたかったこと、
生まれて育ってゆくうちに起きた様々な生活上の困難を共に乗り越えてくれた事への感謝、そして我が子の長所も短所もすべて好きだという気持ちを惜しげなく伝えています。もしかしたら、我が子の巣立ちの時のメッセージなのかもしれません。

あたたかいお母さんの言葉は、この先、この子の一生の中での宝物となることでしょう。

大好き（だいすき）

お母さんはあなたが生まれてきてどんなにうれしかったか想像できますか？
それは言葉に出来ないくらいに、本当に、本当に幸せな日でした。

お母さんはもともと身体が弱くて、もし子供を産んだらお母さんは生きられないかもしれないとお医者さんに言われました。
それでもお母さんは、あなたに会いたかったでのす。生まれてきてほしかったでのす。
だから、最初に元気な泣き声をきいた時、心が感動で震えました。

あなたが３歳の時、家の事情でお母さんは朝から晩まで働かなくてはいけなくなり、あなたに寂しい思いばかりさせてきたね。あなたは寂しいのを我慢して、おばあちゃんと一緒にお母さんのパジャマを抱きしめながらよく寝てたっけ。
いつも、文句もわがままも言わないで我慢してくれてありがとう。たくさん頑張ってくれていたこと、お母さんは知ってるよ。

あなたが幼稚園の時、お友達のお誕生日会にお呼ばれしたけれど、買っていくプレゼントがなくて紙粘土でブローチを作って持って行ったんだよね。
お友達は買った物よりも、手作りのあなたのプレゼントを喜んでくれたと言ってとても嬉しそうに話してくれたのを今でも覚えてる。

お母さんとあなたはよく喧嘩をするよね。でも寝る前になると、必ず背中にひっついてきて「お母さん、さっきはごめんね。」って言って仲直り。
きっとよく似ていて、なんでも言い合えるそんな親子だからなんだろうな。

いつでも甘えん坊なあなたが大好き。
わがままを言うあなたも大好き。
何でも頑張るあなたが大好き。
血を見ただけで泣いちゃう弱いあなたも大好き。
笑ってるあなた、怒ってるあなた、どんなあなたもお母さんは大好きです。

あなたはこれから、きっとたくさんの新しい世界に出会うと思います。楽しいことも辛いこともあるでしょう。だけど、あなたを大好きな人がここにいることを忘れないでね。お母さんはずっとずっと、あなたの味方です。

生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ。

おしまい

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