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ももちゃんがおばあちゃんの名前を初めて呼ぶお話です。
ももちゃんのお母さんは、ももちゃんを産んで天国へ行ってしまいました。
お父さんもいないので、おばあちゃんが一人で育てることになります。
おばあちゃんはももちゃんと、お母さんの小さかったころを重ね合わせます。そんな時、ももちゃんはおばあちゃんのことを「あーちゃん」と初めて呼びます。
まだ「おばあちゃん」とは呼べないももちゃんですが、おばあちゃんをおばあちゃんだと分かるももちゃんは亡くなったお母さんの命を確かに受けついでいるのです。家族の絆を感じられるお話です。
ももちゃんが最初に名前を呼んだ相手は「おばあちゃん」でした。
ただ、まだ「おばあちゃん」と言えず、「あーちゃん」と言っていました。
ももちゃんはお母さんの命とひきかえに産まれてきました。お父さんはいません。「これからどうしたらいいのかしら…」おばあちゃんはももちゃんが産まれた時、途方に暮れました。
「おばあちゃん一人で育てるのは大変ですよ…」そんな声も聞こえましたが、産まれたばかりのももちゃんだって大切な家族です。おばあちゃんは自分で育てることにしました。
覚悟はしていたものの、周りが心配したとおり、ももちゃんを一人で育てるのはとても大変でした。夜中に何度も起きてミルクを作ったり、おむつを替えたり…。おばあちゃんは寝る間もないままももちゃんの面倒をみました。
そんな頑張っているおばあちゃんをみた近所の人たちも、代わりに買い物に行ったり、ももちゃんをあやしたり、みんなで協力しながらももちゃんを育てました。地域みんながももちゃんを家族のように思っていました。色んな人にたくさん愛をもらいながら、ももちゃんはすくすくと大きくなりました。
それから1年半。必死に育てたももちゃんは、少しずつお母さんに似てきました。おばあちゃんはそんなももちゃんを見ていると、過去に戻ってももちゃんのお母さんを育てているような、そんな不思議な気分になりました。
歩くのもまだよちよちで、成長がほかの子よりも少し遅いのかと心配することもあるけれど、いつもおばあちゃんの心を穏やかにしてくれるももちゃん。「あーちゃん」と初めて呼ばれた時、「娘の命はちゃんとつながっているんだね…」とおばあちゃんは思わず涙を流しました。
心配そうにおばあちゃんを見ているももちゃんを抱きしめながら、「次は『ママ』を覚えようか」おばあちゃんはももちゃんと一緒にママの仏壇にそっと手を合わせました。
おしまい