チャンネル登録:
お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
寝る前にお母さんにしてほしいことをなかなか言えないなお君のお話です。
絵本を読んで、手をぎゅっと握ってもらいながら寝たいなお君ですが、お母さんは違うことをしてくれるので、なかなか言えません。お母さんはお母さんなりに、なお君がしてほしい事を想像して試してみますが、これが大外れ。それをきっかけに本当の気持ちをお母さんに言えたなお君。ようやく、心から安心し満足して熟睡する事ができたのでした。
してほしいことがある時は、素直に伝えるのが一番いいとわかるお話です。
なお君は元気いっぱいの男の子。幼稚園に行き始めたばかりのなお君は、毎日たのしいことがいっぱいで、夜もなかなか眠れません。ママはなお君がなかなか寝ないので、お腹をトントンしてみたり、暖かい牛乳を飲ませたりと、いろいろな方法を試してみました。でも、なお君はスースー寝息をたて始めても、ママが居なくなるとすぐに「ママー!」と起きてしまいます。
なお君が寝ないのにはワケがありました。お腹をトントンして欲しいわけでも、温かい牛乳が飲みたいわけでもありませんでした。本当は大好きな絵本を読んでもらいながら、ママと手をつないで寝たかったのです。だからママが離れると寂しくて起きてしまいました。でもなお君は「早く寝ようね」と言うママに本当のことがなかなか言えませんでした。
そんなある日、ママは考えました。なお君がスースー寝息をたて始めたので、腕枕を外しました。するといつものように「ママー!」となお君の叫び声。思わず抱き上げたくなる気持ちをぐっと押さえて、ママは寝たふりをしてみました。寝たふりをしたらなお君が諦めて寝てくれると思ったのです。でもなお君は違いました。
「ママ~ママ~」と言いながら、腕を引っ張ったり顔をつねってきたり…どうにかママを起こそうと奮闘しました。でもママも負けません。絶対起きるもんかと、何をされても寝たふりを続けました。なお君はそれでも必死にママを起こそうと頑張りました。
寝たふりを続けてしばらく経つと、なお君が静かになりました。「寝たかな〜…」ママがそっと目を開けようとしたその時、なお君の泣いている声が小さく聞こえました。
ママが飛び起きると、なお君は毛布で口を覆いながら涙を流して小さな声で泣いていました。「どーしたの!?」驚いたママはとっさになお君を抱き上げました。
すると「ママが…寝ちゃって…寂しかったの…ふえ〜ん!!」なお君はお母さんにしがみついて今度は思いっきり泣き出しました。「ごめんねなお君…」お母さんはなお君の背中をなでながら、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
次の日の夜、「寝る前に何がしたい?」反省したお母さんはなお君に聞いてみました。すると「絵本読んで!あとね、お手てつないでほしいの…」なお君が教えてくれました。なお君はやっと本当の気持を言うことができました。
お母さんはなお君と一緒にお布団に入ると、絵本を読みました。読み終わった後なお君の手を握ると、満足そうになお君は目をつぶり、すぐにスースーと寝息をたて始めました。
お母さんはそっと布団から抜け出しましたが、なお君は気持ちよさそうに寝息をたてています。お母さんはなお君のおでこにキスをすると「明日もやりたいことしてからゆっくり寝ようね」と約束をしました。
おしまい