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森の人気カレー店の小さなコック、きいちゃんの物語です。
きいちゃんは、森の仲間の大好物のカレーを、毎日大きな鍋でグツグツ煮込んでいます。美味しそうな匂いにつられて、毎日沢山の動物たちがそのカレーを食べにお店へやってきます。玉ねぎは目にしみて涙が出るけれど、皆んなが喜んでくれるのがきっと何よりも嬉しいのでしょう。
思わず、今夜はカレーにしようかな、という気持ちになりそうな、美味しそうなお話です。
ある森に小さなカレー屋さんがあります。
きいちゃんはそこの小さなコックさんです。
カレー屋さんには、ねずみやフクロウ、クマにゴリラも食べに来ます。
きいちゃんのカレー屋さんはいつもお客さんでいっぱいです。
みんなきいちゃんが作るカレーライスが大好きなのです。
きいちゃんは今日も朝から大忙し!!
まず、お店が始まる前にカレーを作り始めます。「今日も美味しいカレーが作れますように♪」そういうと、きいちゃんは沢山のじゃがいもと人参をゴシゴシ洗い、皮をむきます。
むき終わると「指を切らないように、手は猫の形♪コロコロ転がらないようにしっかり押さえて♪」ご機嫌なきいちゃんは「トントントン」上手に包丁で切っていきます。
「次は玉ねぎ♪」きいちゃんは山積みになっている玉ねぎの皮をむくと、「なんでこんなに涙が出ちゃうんだろう。。。」シクシク泣きながらどんどん切っていきます。
「よいしょっと」野菜を切り終わったきいちゃんは、自分の身体よりも大きいお鍋を出してきます。お鍋を火にかけると、まずは玉ねぎを入れ、踏み台に登って大きな大きなしゃもじで炒めます。ジュージューといい音をさせながら、だんだん綺麗な飴色になってきました。お鍋からはなんだか甘〜い匂いがしてきます。
「いい色いい色♪」きいちゃんは次に、お肉を鍋に入れました。「ん〜いい匂い♪」お肉の焼ける香ばしい匂いがしてきます。火が通ったら、じゃがいもと人参もお鍋に入れます。
大きなお鍋に野菜とお肉がいーっぱい。
きいちゃんは塩コショウを振ると、お鍋に入った沢山の具を、あせをかきながら一生懸命炒めます。お鍋からは相変わらずジュージューといい音が聞こえてきます。
「そろそろいいかな♪」お鍋にたっぷりとお水を入れます。お水を入れるとなんだか野菜がキラキラしています。「ん〜おいしそう♪」そう言うと、きいちゃんはお鍋に蓋をします。グツグツグツグツ少しの間、お鍋で野菜とお肉を煮込みます。
「さてと♪」いよいよカレーのルーをお鍋に入れます。すると一気に、甘くて香ばしくてちょっとスパイシーなカレーのいい匂いがお店いっぱいに広がります。きいちゃんはお皿にちょこっとカレーを入れて味見。それから大きく深呼吸をすると「今日も完璧!!」美味しいカレーの出来上がりです。
カレーが出来上がる頃、ウエイターのチンパンジー君がやってきました。「今日もいい匂いですね!きいちゃんのカレーは世界一です!」チンパンジー君はそう言いながら、せっせとテーブルを拭いています。
お店の開店時間になりました。「いらっしゃいませ!」きいちゃんのカレー屋さんの前には、いい匂いにつられて、沢山の動物達が並んでいます。
「カレー1つお願いします!!」「こっちは2つねー!」「はーい!只今お持ちしまーす!!」ウエイターのチンパンジー君もあっちへこっちへ、大忙し。きいちゃんのカレー屋さんは今日もお客さんでいっぱいです。
森の中で、カレーのいい匂いがしたら、ちょこっと覗いてみて下さい。そこはもしかしたら、きいちゃんの美味しいカレー屋さんかもしれません。
おしまい