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お話・読み聞かせ , ehonly , えほんりー , 絵本 , 読み聞かせ
仕事が忙しいお母さんをもつ、のぞみちゃんのお話です。
お母さんは、のぞみちゃんが寂しい思いをしないようにと何でも買ってあげていました。
ある日、のぞみちゃんはお母さんにお仕事分のお金をあげて、一緒にお出かけすることを思いつきます。
のぞみちゃんが一緒に過ごしたがっていることを知ったお母さんは、次の日曜日、のぞみちゃんの望む通りの休日を一緒に過ごしました。子供が本当に欲しがっているものは、親の愛情であることを気づかせてくれる物語です。
のぞみちゃんはママとおばあちゃんの3人で暮らしです。
のぞみちゃんは欲しいものは何でも持っていました。おもちゃ、ゲーム、DVD。仕事で忙しいママは「寂しい思いをしないように」と何でも買ってくれました。
おばあちゃんとご飯を食べたあとは、寝るまでの時間、1人でゲームをしたりDVDをみて過ごしました。たまにおばあちゃんも誘ってみますが、「おばあちゃんには無理よ〜」といつも断られてしまいます。そんなときのぞみちゃんはいつも寂しい気持ちになりました。
ある日、のぞみちゃんは新しく買ってもらったお仕事体験ゲームをしていました。自分が店長になって、アルバイトをやとってお店を大きくしていくゲームでした。そのゲームをしていたのぞみちゃんはいい事を思いつきました。
しばらくしてママが帰ってきたので、さっそくのぞみちゃんは「ママは1日お仕事をしていくらお金もらえるの?」と聞きました。ママはちょっとびっくりした様子で、少し考えてから「一万円くらいかな。」と答えました。
それを聞いてのぞみちゃんは「ふーん…」とだけ言いました。「どうして?」ママが聞きますがのぞみちゃんは「なんでもない。おやすみ。」とそのまま寝室に向かいました。寝室においてある自分の貯金箱の中を覗いたのぞみちゃんはがっかり。。
しばらく考え込んで、はっと何かを思いつくと、ママのところへ戻って、こう言いました。「ママ、一万円貸して!」ママはとてもびっくりして「そんなに何に使うの!?」と言いながら、のぞみちゃんをジロっと見ました。
ママの勢いに驚いたのぞみちゃんは何も言えなくなってしまいました。ママは「こんなに何だって買ってあげてるじゃない!そのためにママはこんなに忙しくしてるんでしょ!!」とまくしたてました。のぞみちゃんはなんだか悲しくなって、何も言わずに寝室に駆け込みました。
ベッドに潜って泣いていると、しばらくしてママが入って来ました。
「さっきは怒鳴ってごめんね。仕事が忙しくて疲れちゃって。。。何が欲しかったの?ママに教えて。」のぞみちゃんは泣きながら「ママ」と答えました。
「え!?」ママが驚いていると、「ママがお仕事でもらうお金を渡せば、1日仕事に行かなくてもいいでしょ?一緒にお出かけしたかったの。ゲームしたかったの。一緒に映画行って、ごはんもた食べたかったけど、そんなにお金持ってないから…」とのぞみちゃんは震えた声で言いました。
それを聞いたママはギュッとのぞみちゃんを抱きしめました。
「ごめんね、寂しい思いをさせて。。。今度の日曜日、1日ずっとママと一緒に遊びませんか?一緒に映画みて、ご飯食べて、ゲームもしよう!もちろん無料よ。」
のぞみちゃんは小さくうなずくと、ママにぎゅーっと抱きつきました。
日曜日、のぞみちゃんはママと映画館にいました。映画が始まるのを待つ間、「お昼は何食べようか」「見終わったら何して遊びたい?」「今度みたい映画も考えといてね♪」そんなママの言葉に、のぞみちゃんは嬉しい気持ちでいっぱになりました。
おしまい