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「ノアちゃん」と「ハル君」の学校でのできごとを書いた物語です。
ハーフのノアちゃんは、日本語があまり上手ではなかったので、クラスでよくからかわれていました。
しかし、ある日の英語の授業、英語が苦手でうまく話せなかったハル君に対し、ノアちゃんは英語でスラスラと話したことで、クラスの人気者になりました。
それからハル君は、ノアちゃんに国語の朗読で分からないところを教えるようになりました。人にはそれぞれ得意分野があること、違うところがあっても相手をからかってはいけないことが学べます。
ハル君とノアちゃんは席が隣同士でした。ノアちゃんは、お母さんがアメリカ人、お父さんが日本人のハーフで、5歳の時に家族で日本に引っ越してきました。
ノアちゃんは日本語があまり上手ではありませんでした。ハル君もクラスのみんなも、そんなノアちゃんを面白がって、よくからかっていました。「お前の話し方、なんかへんなのー!」からかわれたノアちゃんは、いつも真っ赤な顔をして、うつむいていました。
そんなある日、学校でアメリカ人の先生がやってきて、英語の授業が始まりました。
ハル君は英語が苦手でした。ハル君には先生の話す英語がなにかの呪文のように聞こえていました。授業の終わり時間「さぁ、今日の復習として、英語で自己紹介をしましょう!」先生が教室を見渡すと「オレにあたりませんように…」ハル君は願いましたが、願いは叶わず、「ハル君、お願いします!」当てられてしまいました。
「えーっと…ハ…ハロー…?」するとみんなは大爆笑。先生も呆れた顔で、座れの合図を出しました。ハル君はうまく話せなかったことが恥ずかしくて悔しくて、顔を真っ赤にしてうつむきながら座りました。先生は次にノアちゃんを当てました。ノアちゃんはペラペラととても上手に英語で自己紹介をしました。「Excellent!」先生もみんなも、自然とノアちゃんに拍手をしていました。
その日から、誰もノアちゃんの話し方をからかう人はいなくなりました。「ノアちゃん、おはようの挨拶は英語でなんて言うの?」「お腹すいたーって、なんて言うの?」ノアちゃんは1つ1つ丁寧にみんなに英語を教えてあげました。ノアちゃんはいつのまにかクラスの人気者になっていました。
ある日、国語の授業中に隣の席の人と朗読を練習する時間がありました。ハル君がスラスラと教科書を読み終えると、ノアちゃんの番になりました。ノアちゃんは時々つまりながらも一生懸命教科書を読みました。ところどころ発音がおかしなところもありましたが、ハル君はもうからかいません。それどころか、間違っているところは、1つ1つ丁寧に教えてあげました。
朗読の発表の時間。ノアちゃんが先生に当てられました。するとノアちゃんは、堂々とした様子でスラスラと教科書を読み上げました。クラスのみんなは思わず拍手をしました。拍手を浴びながら席に着いたノアちゃんは、ハル君の方を見ると、嬉しそうに「ありがとう」とお礼をいいました。
おしまい