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「カチカチ山」のたぬきが良いたぬきだったらという視点から語られたお話です。
たぬきはおじいさんに元気になってもらおうとおじいさんのところへ行きますが、おじいさんはたぬきを捕まえます。
たぬきのミスでおばあさんを死なせてしまい、悲しむおじいさんをみたいじわるなうさぎはたぬきにいじわるをするようになりました。
それを見た山の動物たちはうさぎへ仕返しをします。思っていることを誤解されて相手に悲観な思いをさせてしまうことがあることを学べます。
むかしむかしあるところに心優しい一匹のたぬきが住んでいました。
「最近おじいさんのげんきがなくて、心配なんだ…」
と、近くに住むおじいさんのことを、山の動物達に話していました。
「そうだ!おじいさんをからかって、元気になってもらおう!」
そう言うと、たぬきは山の動物達と別れ、おじいさんのいる畑へ急ぎました。
「気をつけてね~!」山の動物達は心配そうに見送ります。
たぬきはおじいさんを見つけるとさっそく、
「やーい!ヨボヨボー!」とからかいました。
「この性悪たぬきめー!」
追いかけてくるおじいさんをみて、
「おじいさん、ちょっぴり元気になったかな。あしたもからかって、もっと元気になってもらおう!」たぬきは、おじいさんが本当に怒っているのに気が付かず、遊んでいると思ってしまったのです。
次の日も、たぬきはまたおじいさんのところへ行きました。
「やーい!ヨボヨボー!」
たぬきがからかうと、怒ったおじいさんはたぬきを捕まえてしまいました。
「どうか許してください…僕はおじいさんに元気になってもらいたくてからかっていただけなんです…」
たぬきはあやまりますが、
「性悪たぬきの言うことなんか、信用出来るか!」と、全く話を聞いてもらえません。
「おばあさんや、わしは畑に行ってくるから、このたぬきの縄は、絶対に解いてはいかんぞ。」おじいさんは、おばあさんにそう伝えて畑へ向かっていきました。
「おじいさんが帰ってくる前に、オヤツの支度でもするかのぉ。さぁて、今日は何をつくろうかのぉ…」考え込んでいるおばあさんを見ていると、たぬきはまた、助けたくなりました。
「美味しいおまんじゅうの作り方、僕知ってるよ!」
「本当かい?おじいさんはおまんじゅうが大好きだから、作り方を教えてくれるかい?」
おばあさんはたぬきの縄を解きました。
急いで準備をしようとしたその時、たぬきはよろめいてしまい、おばあさんにぶつかってしまいました。
「しまった!」
おばあさんはぶつかった拍子に、頭を打って死んでしまいました。
「どうしよう…おばあさんが…」
怖くなったたぬきは逃げ出してしまいました。山に戻ると動物たちに全て打ち明けました。
「よし、みんなでおじいさんに正直に話しにいこう。」
たぬきと山の動物たちはおじいさんのところへ向かいます。
しばらくしておじいさんが帰ってきました。
おばあさんをみつけて泣いていると、いじわるなうさぎがやってきました。
「私がそのたぬきを懲らしめてやりましょう。」
うさぎは、たぬきにいじわるができるのがうれしくてたまりません。
次の日からうさぎはたぬきに意地悪をはじめました。
背中の薪に火をつけたり、火傷に唐辛子をぬったりと、それはひどいものでした。
たぬきと山の動物たちから本当の話を聞いたおじいさんは、
「もう十分じゃ、かわいそうだからもう仕返しをやめてはくれんか…?」
と、うさぎに頼みましたがうさぎは聞いてくれません。
それを見かねた山の動物達は、うさぎに仕返しを考えました。
「そういえば、たぬきくんは明日うさぎと釣りに行くって言ってたよ。」
海に行ってみると、うさぎが作った二曹の船がありました。
「うさぎとたぬきくんの船を交換しよう」
こうしてうさぎは、たぬきが乗るはずだった泥舟に乗ってしまい、海に沈んでしまいました。
おしまい