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昔話「マッチ売りの少女」のマッチがバカ売れしたら、という視点から作られた物語です。
マッチ売りの少女の顔がとても可愛らしかったので、マッチはたくさん売れました。
お金を手に入れた少女は新品の服を着てレストランに向かい、お金持ちの男に求婚されます。
結婚してお金持ちになった少女は1年後に、マッチを売る貧しい少女見かけ、貧しい子供たちを助けたいと思い「ライター」を発明します。この物語からは、初心を忘れないことの大切さが学べます。
雪が降り積もる、クリスマスの晩のことでした。
ボロボロの服を着た女の子がトボトボと歩いています。顔にはボロ切れのようなマフラーを顔が見えないくらいグルグルに巻き寒さをしのいでいます。
「マッチはいかがですか。マッチを買ってください。」
寒さで震えながら人が通りかかるたびにか細い声で呼びかけていました。
しかし、誰もマッチを買ってくれません。朝からずっとマッチを売っているのに、一本も売れないどころか誰も立ち止まってくれません。
すると女の子の前をすごい勢いで馬車が通り過ぎました、驚いた女の子は転んでしまいマッチの箱が散らばってしまいました。慌てて女の子はマッチを拾い集めます。
ようやく拾い終わると、またか細い声で「マッチいりませんかー。マッチを…マッチを買って…」
すると今度はどうでしょう。
「おっなんだ、なんだ。」「おじょうちゃん何を売ってるんだい?」「1つもらおかな」
「こんなに可愛い子に頼まれたら買わないとな」みるみる人が集まってきます。何が起きたのでしょう。さっきまで見向きもしなかった人たちが少女の周りを取り囲んでいます。
そうです、さっき転んだ勢いで顔に巻いていたマフラーが解けてとてもとても可愛い顔がさらけ出されたのです。可愛い子に目のない男達はみるみるマッチを買って行きます。
少女はマッチの値段を上げて売ることにしました。それでも飛ぶように売れていきます。どんどん値段も上がりどんどん売れていき、とうとう全部売り切りました。
「こんなに売れるなんて、よかった。今日はクリスマスだしそこの洋服屋さんで服を買いに行こう。」そういうと、洋服屋さんに入って行きました。
全身新品の洋服を着て、いっそう美しくなった少女。
「なんだかお腹へっちゃった。お金もあるしクリスマスだしレストランでも行こうかしら」
そうして美しくなった少女は高級レストランに向かって歩き出しました。
レストランに着いた少女はふと後ろを振り返ります。
なんと、少女の後ろにはお金持ちそうな男達が列をなしていました。
男達は口々に「おじょうさん、私と食事をしましょう。」「あーいやいや私と食べましょう。」
「もっと高級な店に行きましょう。」などと少女を奪い合います。
少女は、なかでも一番お金持ちそうな男と食事をすることにしました。
食事の終わりがけにお金持ちの男は少女に結婚を申し込みました。
少女は「はい。」の二つ返事で承諾。
こうして少女は裕福な結婚生活を送ることになりました。
月日は流れ1年後の雪の積もるクリスマス。
思い出のレストランで食事をしている2人。ふと、少女は窓の外に目をやります。
するとそこにはボロボロの服を着た少女がヨロヨロでマッチを売っているではありませんか。
その子は、寒い冬の空気に顔をさらしています。しかし、人は誰一人と集まりません。
それを見ていた少女は1年前の自分を思い出しました。あの辛かった日々。。 一枚の窓を挟んで、マッチを売る少女とマッチを売らない少女。 そこには天と地の差がありました。
急に少女は立ち上がりこう言いました。「あなた!会社を創りましょう!未来型マッチを作るのです!そして貧しい子供たちを助けるのです!」
初心に戻った少女は立ち上げた会社で、研究に研究を重ね。ついに画期的なマッチができました。
「これを、あの子達だけに渡して売ればきっと飛ぶように売れて。お金が手に入り彼女たちは幸せになるわ!あの子達に幸せになってもらいたい。。幸せになってもらいたい。幸せになってもらいたーい。なってもらいたーい。もらいたーい。らいたーい。」
「らいたー」。
こうして、新製品の火つけ道具(ライター)は飛ぶように売れて貧しい子供たちは、裕福な子供達になったとさ。
おしまい