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昔話「ウサギとカメ」でウサギが居眠りをしなかったらという視点から作られた物語です。
ウサギはカメがゴールするときには山頂で昼寝をしていたので、一生懸命走っても勝てなかったカメは、自信を無くして泣き出してしまいます。
カメをかわいそうに思ったウサギは、カメを池につれていき、カメと池で競争します。すると池ではカメがウサギに圧勝します。カメはウサギのおかげで自信を取り戻すことに成功し、2匹の競争はこれからも続くことになりました。
ある日カメがのそりのそりと歩いていると、向こうからウサギがぴょんぴょん飛び跳ねながらやってきました。「カメさん、こんにちは。お散歩かい?それにしても、きみは足が遅いなあ」
「こんにちは、ウサギさん。確かに、僕は足が遅いけど、それで困ることはないから、構わないんだ」「ふーん。だったら僕と競争しようよ。向こうの山の頂上まで、どちらが先に行き着くか。」
「いいよ。僕だって本気を出せば早く走れるんだ、競争しよう」
「よーいどん!」
スタートの合図とともにウサギはぴょんぴょんと走り出し、あっという間にゴールまで半分の地点まできました。ふりかえってカメを見てみると、まだスタート地点の近くを、のそりのそりと歩いています。これでもカメは全力です。
やっぱり僕がカメに負けるわけないか。
そう思ったウサギは少し疲れたので歩き出しました。
ようやく、カメがゴールまでやってきました。ふと、大きな木のふもとをみると、ウサギがグーグーいびきをかきながら寝ています。カメに大差をつけてゴールしたウサギは寝ていたのです。
それを見たカメは大きな声でワンワン泣きだしました。
「わーん、いっしょうけめい走ったのに。全然早く走れない。僕はのろまなんだー。わーんわーん。」その声で目を覚ましたウサギはその様子を見て、なんだか可哀想に思えてきました。
少しの間考えたウサギは
「そうだ、カメさん次はあの池で競争しようよ。どちらが先に池を渡れるか競争だ!」
「どーせ僕なんてなにやってもダメなんだ。きっと勝てっこないよ。」
「いーからいーから、やってみなきゃわからないじゃないか」
そう言うとすっかり弱気になったカメをウサギは背負って池まで連れて行きました。
「さあ、着いたよ、池をわたって向こう岸まで先に着いた方の勝ちだ!よーいどん!」
ザボーン!勢いよく飛び込んだウサギに続いて、チャポーン!カメも池に入りました。
するとどうでしょう、スイスイスーイとカメの速いこと。
ウサギも一生懸命泳ごうとしているのですが上手く前に進みません。
あれよあれよという間にカメはウサギに大差をつけて見事にゴールしました。
ようやくゴールしたウサギはゼェゼェと息をあげています。ふと、池のそばを見ると気持ちよさそうに日光浴しながら寝ているカメがいました。
「おーい、カメさーん。君はなんて泳ぐのが速いんだ!まいったよ。」
するとカメは「へへ、ありがとうウサギさん、君のおかげで自信が着いたよ。さあ、今度は何の競争をするかい?」と嬉しそうにいいました。
こうして2人の競争はこれからも続くのでした。
おしまい